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子どもの主張を尊重したい――
母親の視点から導き出した主体性を育む教育方針とは?

子どもの主張を尊重したい――母親の視点から導き出した主体性を育む教育方針とは?

文 星政明/写真 白石文丈

今回お話をお聞きしたのは、Gakken Tech Programのプログラミングキャンプにお子様を参加させてくださった北本さん。ラナンキュラス株式会社の代表として、教育イベント「みらいの学校」の運営などをおこなっています。ご家庭では3人のお母さんとして、子どもの自由を尊重した子育てを実践しています。これからご紹介する北本さんの教育方針は、価値観が多様化しつつある現代の新しいモデルケースかもしれません。

中村俊介

Profile:北本 貴子

子育てをしながら経理やデザインの仕事を経験し、デザイナーとして独立。セールスプロモーションやデザインを業務とするラナンキュラス株式会社を立ち上げる。現在は、教育イベント「みらいの学校」の運営など、教育まで活動の幅を広げている。NPO法人日本ホームスクール支援協会理事。

世の中のお母さんの役に立ちたい

――北本さんのラナンキュラスが運営されている「みらいの学校」は、どんなサービスなんですか?

 

様々な教育を体験できるイベントですね。プログラミング教室や能力開発塾、アプリを利用した教育サービスなどを提供する事業者に出展してもらい、保護者の方や子どもたちに興味のあるものを実際に試していただきます。

 

――「みらいの学校」を始められたきっかけを教えてください。

 

子育中のお母さんを応援するコミュニティーを会社で運営したり、わたし自身が3人の子ども育てたりするなかで、世の中の母親と教育事業者との間に考え方のギャップを感じるようになったんです。

 

――どんなギャップですか?

 

教育がビジネスになったとき、事業者側は権威的なものに頼りがちになります。たとえば、監修者の名前や、受験の成功率などですね。でも、母親や子どもたちにとって重要なのは、楽しみながら続けられるかどうか。そんなギャップを埋めるためにつくったのが、体験型のイベント「みらいの学校」です。

ホームスクーリングは子どもに合わせた学習ができる

――北本さんは子育てをされているから、当事者として教育への関心が高いのですね。

 

そうですね。中学3年生の長女、小学4年生の長男、小学1年生の二女の3人の子どもがいます。実は今、下の2人の子どもは学校に通ってなくて、家でホームスクーリングをしています。

 

――ホームスクーリングとは驚きです!

 

きっかけは長男の不登校でした。小学2年生のときに「学校に行きたくない」と言い出したんですね。授業が簡単だと。あと、先生の授業の進め方に不満を感じたようでした。

 

――進め方ですか。

 

国語の教科書に載っている「がまくんとかえるくん」というお話しを先読みしようとしたら、先生に「先読みをするな」と怒られたそうです。興味を抑圧されて、まわりに合わせなければいけない方針に我慢できなかったみたいです。

 

――「学校に行きたくない」という宣言を聞いたとき、北本さんはどう思われましたか?

 

急なことでびっくりしましたが、本人はずっと考えていたようですので、その決心を受け止めてあげようと思いました。そして、本人の希望に添うようにいろいろと調べていたところ、ホームスクーリングに出会ったんです。

 

――北本さんは、我が子を学校に行かせないという選択をすんなり受け入れられましたか?

 

まったく抵抗はなかったですね。もともと本人の自主性に任せようという教育方針でしたから。子どもがホームスクーリングになったことをきっかけに、日本ホームスクール支援協会の理事に就任したのですが、そこで調べたところ、アメリカでは数百万人規模のホームスクーリングの生徒がいるそうです。まだまだ日本ではマイナーですが、世界では広がりつつあるんです。

 

――ホームスクーリングのカリキュラムはどう決めるのでしょうか?

 

基本的に各家庭で決めます。その考え方は大きく分けて3種類です。学校の授業を家でそのまま行う「スクールアットホーム」、興味を持ったことを積極的に学ぶ「アンスクーリング」、インターネットを通じて好きな教科を学ぶ「ハック・スクーリング」です。長男は「ハック・スクーリング」で、数学や物理を中心に学んでいます。二女は「アンスクーリング」を選択し、詞や物語をつくることに夢中になっています。

 

――個人に合わせた学習が可能なのですね。

 

そうですね。長男の場合は、さらに「プロジェクトベースラーニング」を取り入れています。プロジェクトを立てて、それを実現するための学習をするという考え方です。

 

――具体的にどんなプロジェクトを立てているんですか?

 

長男は、小さいころからゲームが大好きです。自分のゲームを作りたいといつも言っています。だから、「RPG(ロールプレイングゲーム)をつくるプロジェクト」を立て、世界観の構築の仕方、企画書の書き方、プログラミング、音楽、美術などを学んでいます。また、別の家庭の子と一緒に「田舎プロジェクト」も進めています。これは、どこからが都会でどこまでが田舎か、線引きする基準を自分たちで考えようとするプロジェクトです。

 

――ホームスクーリングの良い点はどんなところだとお考えですか?

 

学びたいことを自分で決めて、学習を深めていく。そんな主体性が育つのが一番良い点ですね。また、親も一緒に学んでいけるということもすごくいいなと思います。実はわたしも、「RPGをつくるプロジェクト」のメンバーに任命されているんです(笑)。


従来型の学校のほうが合う子どもがいることも、間違いありません。我が家では長女がそうですね。彼女は青春が大好きなので、下の2人とは対照的に一日も休まず登校しています(笑)。

 

――学校のカリキュラム通りに学ばないことに対して、不安はありませんか?

 

たしかにホームスクーリングは、学校とは学びの順番が違います。たとえば、長男は小学4年生で、もう三平方の定理や代数などを習っているんです。その一方で、4年生の学習分野で未修のところもありますが、ジグザグしながらでも最終的につながれば問題ないと考えています。わたしとしては、子どもが自主的に興味を持ったことを、自由に楽しく学んでもらえるのが一番です。

興味があれば小学生でもプログラミングに熱中できる

――長男くんは「Gakken Tech Program」に参加してくれましたね。

 

小学3年生のときに参加させてもらいました。長女と一緒に「スクラッチ」のプログラミング教室に通ったこともあるのですが、それは主にプログラミングの考え方を養うものでした。そしたら、今度はコードを書きたいと言い始めて。いろいろと調べた結果、「Gakken Tech Program」でMinecraftのプログラミングをしていることを知りまして、本人に伝えたところ「やりたい!」と。


難易度が高くて投げ出してしまうのではと思っていましたが、杞憂でしたね。すごく集中して学んで、「楽しい!」と言って帰ってきてくれました。

 

――中学生よりも先に進んでいて、スタッフの間で話題になったんですよ。早いだけじゃなくて、考え方もしっかり理解していました。

 

完成したのが、わたしから見たら何の変哲もない家だったんです(笑)。でも、コードを見ると何百行もあって、すごくがんばったんだな~と感心しました。

 

――今でもプログラミングを学んでいますか?

 

横浜のYES International Schoolで物理の先生に様々なプログラミング言語を習っています。


すごく楽しそうに通っていますね。先生が言うには、プログラミングを学んでいくと、途中から数学や物理の知識が必要になるそうです。それを聞いた長男は、プログラミングだけでなく、より熱心にその二つの教科を学んでいます。今は、アインシュタインが子どものころに取り組んだという、代数を使って時計の針の角度を計算する課題に取り組んでいます。問題を見ても、わたしにはちんぷんかんぷんです(笑)。

 

――自主性が育ち、積極的に学べるようになるのがホームスクーリングのメリットですね。

 

学校が好きで、集団教育が向いている子もいると思います。先ほども言ったように、長女は学校が大好きで、そこで学ぶことがいっぱいあると思っていますから。でも、学校に通っていても、ホームスクーリングが向いている子もいるはずです。子どもに向き合って、その子に合わせた教育をしてあげるのがいいと思います。

デジタルツールは早い段階から学ばせたい

――北本さんは、PCやスマホ、タブレットなどのデジタルツールを子どもが使うことについてどうお考えでしょうか?

 

長女は芸術系に進むことを希望していて、デジタルで絵を描いてみたいと言い出したので、パソコンを買い、「Photoshop」や「Illustrator」の使い方を教えてあげています。また、二女もスマホやタブレットで、自作の詞を書いています。基本的に自由に使わせていますね。

 

――有害な情報にふれてしまわないか不安になりませんか?

 

北欧では、小学1年生のころからタブレットやPCを利用した学習をしているのですが、フィルタリングはかけていないと聞いています。わたしもその考え方に賛成です。フィルタリングの仕方を教えて、見たくないものは自分で遮断する方法を身につけてほしいと期待しています。

 

――小さいころはアナログの道具に親しませたいと、デジタルツールを排除する方もいます。

 

わたしは、早い段階からデジタルツールを使いこなせるようになってほしいと考えています。将来、仕事を始めてから使うのでは遅いですから。


また今後、学校でのICT教育も活発化するでしょうが、自分で学ぶ力を身につけておくべきだと思います。パソコンなどをまったく扱えない先生が、がんばって勉強して授業に臨んでいるケースもあります。デジタルツールの進歩は速いですよね。精通していない大人から習っていたのではどんどん取り残されてしまいます。少なくとも興味のある分野のものに関しては、自分から積極的に学んでほしいですね。

 

――2020年からは、プログラミング教育が学習指導要領に組み込まれることになりました。

 

国はコードの書き方を教えるのではなく、プログラミング的思考を指導するといっています。わたしはコードの書き方を学べるプログラミング教育をしてほしいと思っていたので、残念ではありますが、どんな教え方をするのか興味はありますね。


長男にプログラミングを教えてくれる先生は、九九のすべてを言えなくてもいいと言っているんです。半分を覚えていれば、もう半分はひっくり返せばこと足りるから。プログラミング教育でも、そういう本質的なことが学べるカリキュラムを作ってほしいなと思います。

〜取材を終えて〜

子どもの自主性を尊重して、興味のある分野から学ばせる。大切な我が子の能力を伸ばす近道は、子どもに向き合い、学ぶことの手助けをしてあげることだと感じました。それはプログラミング教育も同じ。学研では、様々なコースでプログラミングキャンプを開催しています。ゲームが好き、プログラミングに興味があるという子どもの能力を伸ばしてあげるため、早い段階からぜひ体験させてみてください。

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